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不法就労助長罪?!飲食業の外国人ビザについて解説

人手不足が深刻化する飲食業界において、外国人材の採用は店舗運営を維持・拡大するための重要な選択肢となっています。しかし、飲食店で外国人を雇用する場合、「どの在留資格(ビザ)を持っているか」によって、任せられる業務内容が厳密に法律で決められていることをご存知でしょうか。

もし、ビザで許可されていない「調理」や「接客」をメインに任せてしまうと、企業側も場合によって「不法就労助長罪」に問われる重大なリスクがあります。本記事では、飲食店における外国人の就労について、代表的な5つの在留資格と、それぞれが従事できる業務・活動内容を分かりやすく解説します。

【一目でわかる】各在留資格と可能な業務のマトリクス表

まずは、飲食店で働く外国人が持つ主な在留資格と、任せられる業務の範囲をマトリクス表にまとめました。自社が任せたい業務に合わせて、どのビザを持つ人材を採用すべきか確認しましょう。

在留資格 店舗経営・
マネジメント
企画・事務・
通訳等
外国料理の
専門調理
一般的な
調理・接客
① 特定技能(外食業)
(店舗管理の補助)
② 技術・人文知識・国際業務
(店長候補など)

(※原則不可)
③ 技能
④ 経営・管理
(経営の一環)
⑤ 特定活動 ワーキングホリデー等、個々の許可内容により異なる

飲食店で就労できる主な在留資格の詳細解説

1. 特定技能(Specified Skilled Worker)

飲食業界の深刻な人手不足を解消するために創設された、現在最も注目されている在留資格です。

【可能な業務】
飲食店での調理業務全般、接客業務、および店舗管理の補助作業など、外食業の現場業務全般に従事することができます。一定の技能試験と日本語試験をクリアしているため、即戦力として期待できます。

2. 技術・人文知識・国際業務(Engineer/Specialist in Humanities/International Services)

大学などで学んだ専門的な知識や語学力を活かすための在留資格です。

【可能な業務】
店舗の売上管理、マーケティング、外国人客向けの通訳・翻訳を兼ねた業務など、専門知識や語学力を活かす業務に従事することが可能です。

⚠️ 重要な注意点:
厨房での皿洗いや一般的な調理、日本人向けのホール接客といった「単純作業」を主たる業務として行うことは、入管法で固く禁じられています。現場のスタッフとして採用することはできません。

3. 技能(Skilled Labor)

外国特有の料理の調理など、熟練した技能を持つ外国人のための在留資格です。

【可能な業務】
インドカレー職人やフランス料理のシェフなど、10年以上の実務経験を持つ外国料理の専門的な調理業務に専念する必要があります。
(※注意:「技能実習生」とは全く異なる資格です。そもそも日本の外食業(飲食店)において技能実習生の受け入れは認められていません。)

4. 経営・管理(Business Manager)

飲食店を自ら起業・経営する、あるいは店舗の管理者として事業を運営する外国人のための在留資格です。

【可能な業務】
店舗の経営方針や経営戦略の立案、スタッフの採用・労務管理、資金繰りなど、事業の経営・管理に関わる幅広い業務を担当します。経営者自らが現場で調理や接客ばかりを行うことは、資格外活動とみなされる恐れがあります。

5. 特定活動(Specific Activities)

法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を認める在留資格です。

【可能な業務】
「ワーキングホリデー」や、海外の大学生が参加する「インターンシップ(特定活動9号)」などがこれに該当します。従事できる業務内容は、個々の外国人のパスポートに添付される「指定書」に明記された活動範囲に限られます。

【重要】2026年4月以降の特定技能1号(外食業)受け入れ停止への対応

2026年4月13日より、外食業分野における特定技能1号の「新規受け入れ」が原則停止となっています。これは外食分野の在留者数が政府の定める受入れ上限(5万人)に達したことによる措置です。

今、飲食店に何が起きているのか?

  • 新規呼び寄せの不可:海外にいる外国人を新たに「外食業の特定技能1号」として呼び寄せることができません。
  • 資格変更の原則不可:他の在留資格から「外食業の特定技能1号」へ切り替える申請も、原則として不許可となります。
  • 既存スタッフは継続可能:すでに外食業で特定技能1号として働いている方の「在留期間更新」は通常通り行われます。

飲食店が今すぐ検討すべき3つの対策

特定技能1号(外食)に頼れない今、飲食店経営者は以下の戦略への転換が求められています。

  1. 「既に日本にいる特定技能保持者」の採用:
    新規呼び寄せは停止されていますが、すでに特定技能として働いている方を別の店舗へ採用(転職)することは可能です。この層をいかに自社に引き寄せるかが鍵となります。
  2. 他の在留資格の活用:
    「技術・人文知識・国際業務」や「特定活動(ワーキングホリデー等)」を持つ人材を、店舗運営やマネジメント業務を含めた体制で採用・育成する戦略への転換が必要です。
  3. 2027年4月「育成就労制度」への備え:
    現在、特定技能の代替として、新たな「育成就労制度(2027年4月施行予定)」の準備が進んでいます。この制度が始まれば、改めて外国人材の育成・確保が可能になります。まずは「長く働いてくれる環境づくり」に注力し、制度改正を待ちましょう。

※注意:行政手続きは日々更新されています。採用計画の変更にあたっては、必ず最新の行政書士の知見を借り、適法なスキームを構築してください。

まとめ:正しいビザの選択が企業を守る

以上が、飲食店において外国人が就労する際の主な在留資格と、それぞれの業務・活動についての解説です。外国人を採用する際は、「自社が任せたい仕事」と「外国人が持つ在留資格の活動範囲」が合致しているかを必ず確認しなければなりません。

具体的な業務内容の適合性や、複雑な雇用条件の判断については、ケースバイケースで入管の審査基準が異なります。コンプライアンスを守り、安全な雇用を実現するために、まずは専門家へご相談されることをお勧めします。

飲食店の外国人雇用・ビザ申請サポートは当事務所へ

「この業務内容で『特定技能』の要件を満たすか確認したい」「留学生を正社員として採用したいが、どのビザに変更すべきか分からない」など、飲食業特有のビザのお悩みは、入管業務の専門家である行政書士にお任せください。

行政書士事務所realizeでは、適法かつスムーズな外国人材の採用を、確実な法務知識で伴走サポートいたします。お困りのことがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

行政書士事務所realize(リアライズ)
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商社(タイ王国駐在歴あり)や技能実習監理団体に勤務した後、行政書士資格を取得しrealizeに入所。 技能実習・特定技能関連の申請や経理、IT関係を担当。 一橋大学法学部卒。趣味は観る将、登山。

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